教育推進プログラム「不動産法」

img2


不動産法(不動産登記法)

●今村与一 教授
●高橋寿一 教授
●和泉彰宏 税理士


 「不動産法」と総称される法領域は、私法分野においては民法や不動産登記法を中心とする諸々の法制度、おびただしい判例・先例、そして取引実務・慣行からなっており、他方、公法分野においては建築基準法や都市計画法など多種多様な法令による規律を受けている。また、これを不動産の種別ごとに見れば、主として「都市の不動産」に関して問題となる立法もあれば、「農地」、「森林」等の具体的な種類ごとに固有の法制度があってそれぞれ様相を異にするが、これらは、いずれも「不動産法」に包摂される。

  本プロジェクトでは、上記の分野の中の特定分野に焦点を絞るのではなく、総論的な事項を提示したうえで、横断的に「不動産法」の各分野を採り上げた。

  本プロジェクトは、法科大学院における展開・先端科目のための理論と実務の架け橋を考慮に入れた教材開発を目的としているため、教材の主体として想定としている学生は、原則として、法科大学院学生である。とりわけ、不動産に関する私法・公法のいずれの側面でも法曹として関与しようとする場合に役立つ教材として作成を進めた。
 なお、担当者の一人である高橋は、海外の展開・先端科目の状況を調査するべくドイツに出張したので、その報告も補章として末尾に掲載した。現地で渉猟した限り、「不動産法」という名称での科目は残念ながら存在しなかったが、ドイツでも実務的見地を大幅に取り入れた授業科目の導入を中心とする制度改革が近年実施されており、わが国の「展開・先端科目」をめぐる動向とも併せて大変に興味深い。

ページの先頭へ