教育推進プログラム「知的財産法」

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知的財産法

●岸本 織江 准教授(当時) (著作権法)
● 伊藤 真 弁護士 (著作権法)
● 佐久間 重吉 弁護士 (横浜弁護士会)
● 須須木 永一 弁護士 (横浜弁護士会)
● 仁平 信哉 弁護士 (横浜弁護士会)
● 佐々木 光春 弁護士 (横浜弁護士会)
● 北村 亮典 弁護士 (横浜弁護士会)
● 西井 伸顕 弁護士 (横浜弁護士会)
● 堀江 竜太 弁護士 (横浜弁護士会)
● 奥園 龍太郎 弁護士 (横浜弁護士会)
● 藤田 香織 弁護士 (横浜弁護士会)
● 亀井 文也 弁護士 (横浜弁護士会)
● 中道 徹 弁護士 (横浜弁護士会)
● 徳田 暁 弁護士 (山形県弁護士会)
● 牛久 健司 弁護士 (特許法)


 上記担当者により、法科大学院における知的財産法教育に資する目的で知的財産法の教材が開発された。
 情報化が進む現在知的財産権の重要性は増しており、将来実務法曹となる学生にとって、その制度の基本的な内容や、具体的に社会においてどのような局面で知的財産権が関わってくるのか、また、何か問題が生じた場合にどのような対応が必要となるのかといった実務について学ぶことが重要となる。
 知的財産法は人間の知的な創作活動の成果を保護するものであり、情報(無体物)が対象であるがゆえにその保護範囲は特許権であれば「特許請求の範囲」の記載に限られ、また、著作権については情報の利用とのバランスを取りながら司法判断の積み重ねによって保護範囲を画定する努力がなされている。このような知的財産権制度について効果的に学習できるよう、特許法と著作権法においてそれぞれ以下のような教材開発を行った。

 

特許法

  発明が特許権として保護されるまでには、特許庁と出願人との間において、出願人からの出願書類の提出、特許庁からの拒絶理由通知、それに対する出願人からの意見書、補正書の提出などのやり取りがある。また特許権の設定登録後も、第三者からの無効審判請求やこれに関し出願人からなされる訂正請求や訂正審判の申立などが行われることがある。特許権の保護範囲の解釈においては、具体的な出願経過及び権利の存続期間内におけるやりとりに基づき、どのような場面でどのような主張立証をすることが必要であるのかを十分に理解することが必要である。
 このため、ICカード、磁気カードに関する仮想の発明について、特許請求の範囲(クレーム)やこのクレームの進歩性を否定するような仮想の従来技術等を考案し、具体的に出願書類一式(願書、明細書、特許請求の範囲、図面、要約書)、特許庁からの拒絶理由通知書、出願人からの意見書、手続補正書、第三者からの無効審判請求書、特許権者からの訂正請求書、包括クレーム等の侵害物件の作成を行った。

 

著作権法

 著作物は人の思想・感情を創作的に表現したものであり、著作権に関わる紛争は社会のあらゆる局面で生じうる。しかしながらどのようなものが著作物として保護されるのか、どのような場合に実質的に同一とされ権利侵害となるのか、どのような要件を充足すれば権利制限規定の適用があるのか、といった点に関し明確な基準はなく、最終的には司法判断によるところが大きい。そこで、ごく基本的な制度の概要説明とともに、法科大学院において初めて著作権法を学ぶ者の理解の手がかりとなるよう、侵害物の写真や図表、関連の統計資料などビジュアルな資料を盛り込んだ副教材を作成した。

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