修了生メッセージ①(2007-09年修了)

私は、法曹をめざして理系分野から純粋未修で入学しました。現在は特許を中心に知財事件を主に扱う弁護士として活動しています。振り返ると、YNU法科大学院の知財法分野の教員は非常に充実していて、大変恵まれた環境でした。
知財法は、特殊な法分野だと感じられるかもしれませんが、その基本には民法があり、実務のなかで民法の基本書にあたることも多いのです。また、近年よく議論されている、複数主体が権利侵害に関与するようなケースでは、民法の共同不法行為の議論や刑法の共犯理論などが参考になります。訴訟法についても、特許権侵害訴訟を規律するのは民事訴訟法ですし、審決取消訴訟では行政事件訴訟法についての知識も要求されます。幅広い法分野について学ぶことのできたYNU法科大学院での3年間は、実務家となった今でもゆるぎのない基礎として活かされています。合格までには、くじけそうになることもあると思いますが、学ぶことのすべては将来の自分を支えてくれるので、恵まれた環境を生かして合格を勝ち取ってください。
所属や肩書は、掲載当時のものになります。(2013年4月1日更新)

現在、グループ会社の契約書チェックや日常コンサル、リーガルコンプライアンス研修の講師をはじめ、国内組織再編、企業提携案件まで、バリエーションに富んだ業務を担当しています。実務のなかで感じるのは、多くの知識を持つことも大切ですが、種々雑多な事実の中から重要な事実を適切に拾い出すこと。そして、その事実に法的評価を加える力が、現実の法的トラブルを解決するためにとても重要だということです。
担当業務は幅広く、四苦八苦することもありますが、それらをこなすことができているのは、YNU法科大学院の演習講座を通して、実務に必要な力を身につけることができたからです。特に、長文の事案から重要な事実を拾い出して、自己の主張すべき法律構成を考える商法演習や、刑事訴訟演習で学んだことは、今でも大変役に立っています。研究者教員と実務家教員による絶妙なかけ合いや、受け身ではない双方向的な授業は、少人数のYNU法科大学院ならではだと思います。
所属や肩書は、掲載当時のものになります。(2013年4月1日更新)

担当している仕事は、会社の業務全般に関わる広範囲な法律相談や、契約書の事前審査、法定資料作成、当日の運営を含む株主総会対応です。さらに、一般的な損害賠償から業法などの特殊分野まで、多岐にわたる訴訟への対応、法律問題に関する法務社内研修など、極めて幅広くやりがいがあります。特に求められていることは、法的知識について、字面を伝えるのではなく、意味内容を的確に把握して、よりわかりやすく伝えることだと感じています。
実務では、問題に備え、あるいは問題解決のために、法的事実として何が必要なのかが常に要求されるため、YNUで研究者教員と実務家教員に共同で担当していただいた演習は、非常に役に立っています。目新しい問題にぶつかることもしばしばですが、法令の制度趣旨や定義、要件、効果といった基本に立ち返って検討すると解決することも多く、基本科目の重要さも再認識しています。YNU法科大学院での学びの中で、どれほど問題解決能力が鍛えられたか、その真価を実務のなかで実感する毎日です。
所属や肩書は、掲載当時のものになります。(2013年4月1日更新)