特別企画:修了生座談会

法律の基礎力を培う講義、実務家×研究者教員のコラボによる演習

高橋:次に、YNU法科大学院の授業についてうかがいましょう。

河野:それまでは自己流に学習していたので法律の知識も不安定で、基本的な事項から考えたことがありませんでした。でも、講義を受け始めてすぐに「基礎をしっかりやっておかないとダメだ」と気づきました。自分にとって非常に意味があったと思います。

高橋:早く切り替えができたので、その後の学習効果も違ってきたのでしょうね。

河野:演習科目は、判例や実際の事件を使って行われます。基本的な事項への理解がないと、問題点を抽出することができません。参考判例や参考文献など、教える側からのヒントをもらって、それをもとに解いていきました。演習によって基本事項の重要さを再度理解できたように思います。

高橋:YNU法科大学院は、実務家の先生と研究者の先生とのコラボ授業がとてもうまくいっていると評価されています。私は民事法総合演習しか知りませんが、開講当初から実務家の先生と研究者の先生が事前に何回も打ち合わせをして、細かいところまでチェックして教材を作って、授業ももちろん共同で担当して、終了後も真面目な反省会をしている。今でもそれは続けています。その点についてはいかがですか?

藤田:演習では、実務家の先生が実際に扱った事例を持ち出して、研究者の先生と喧々諤々の議論を行うこともあります。それを聞いているうちに「あ、そこが問題なんだ!」と、生きている論点のようなものが見えてきました。

横山:総合演習は問題自体がむずかしくて、私もどこが論点なのかがよくわかりませんでした。最初の頃はあたりもかすりもしないのですが、だんだんとあたるようになる。そういった作業の積み重ねが、結果的に司法試験にいきてきたように思えます。

藤田:地域に密着したYNU法科大学院と横浜弁護士会の先生方だからこそ、法科大学院教育の理念を共有していると思うんです。だからすごく建設的な議論が授業の中でも展開されて、それを私たちに見せてくれているんだな…と感じました。

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profile

若松みずき
弁護士(横浜弁護士会)

横浜国立大学経済学部卒
2006年既修コース修了
2007年合格

横山幸太
会計検査院事務官

中央大学法学部卒
2008年既修コース修了
2010年合格