原田 ところで、在学中を振り返ると、どんなことが思い浮かびますか。
中村 少人数で先生との距離が近く、質問への対応がていねいでした。勉強会にも顔を出してくださったし、私もいろんな先生の研究室に足繁く通いました。
原田 少人数で、しょっちゅう課題が回ってきたでしょう(笑)。
藤田 はい、特に1期既修は11人だったし、最初は本当に大変でした。回ってくる順番も早いですが、先生方も手探りなので、1週間あれば読めるだろうと膨大な資料を渡されるのです。ところが、どの科目もそんな調子なので実際に読めるのは前の晩ぐらい。さすがに無理と申し入れて、加減してくれるようになりましたが。
石渡 学生の学ぶ意欲も高いと思いますよ。私は法科大学院が開設されて4~5年目に赴任しましたが、ベルが鳴ってから研究室を出るようでは学生からクレームが来ますと言われて、学生は熱心だなと新鮮に感じました。法科大学院以外でベルとともに講義を始めると嫌われます(笑)。
原田 そういえば、熱心な学生からの思いもよらぬ要望に悩んだこともありました。1期未修の学生が、期末試験の起案(答案)を返却してほしいというのです。しかし、採点した答案は、認証評価のための大切な資料なので保存しなければならないものなのです。ただ、学生にとっては期末試験も試験のひとつ、どこがよくてどこが間違っていたのかを知りたいという気持ちもわかるのです。
真剣なやりとりのすえ、複写式の答案用紙を特注して、学生も自分の答案を持ち帰るという方式に変えたことなどもありましたね。
中村 少人数だから学生の声が反映されやすいし、法学部がない独立した法科大学院だからそれまでのやり方にしばられずに新しい形が導入できたのだと思います。おかげで私たち3期は1年生の頃から複写式でした。私は評価がよいときも悪いときも必ず先生の所に行きましたが、答案が手元にあったので、この部分がよくないとか、こういうところはよいからもっと伸ばしなさいという具体的な指導を受けられました。
石渡 自分ではよいと思っているのになぜ点数が悪いのかと持ってくる学生はいるけれど、よいところを伸ばすためにという使い方もよいですね。
PROFILE
藤田 章弘
藤田 章弘
弁護士
横浜弁護士会 藤田総合法律事務所
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中村 恵美子
中村 恵美子
弁護士
横浜弁護士会 川島法律事務所
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石渡 合格までは山あり谷ありだったと思いますが、一番辛かったのはいつでしたか。
原田 確かに意外な結果だったけれど、一番大事なのはそれを合格にどう生かせるかということですね。藤田さんはどんなときが一番辛かったですか。
藤田 3月の法科大学院修了から5月の司法試験までの期間でした。プレッシャーもピークだし、あれもこれも足りていない気がして不安で仕方がない。そういうときは自習室に行って受験を控えた仲間とゼミを組み、励まし合って乗り切りました。
YNUには科目等履修生制度があり、修了後も自習室を利用できるので助かりました。不安で苦しいけれどひとりではない、一緒に頑張る仲間がいるということが大きな支えでしたね。
中村 勉強は自分でするものですが、ひとりだと間違った方向に突き進んでしまったり、不安になったり落ち込んだりして勉強が手につかないということもありますよね。そういうときは、私も仲間と勉強したり、時には一緒に気分転換をするようにしたので、合格して夢を叶えるためのモチベーションを維持できたのだと思います。
それに、修了した先輩が同じ自習室を使って勉強しているのは、在校生にもメリットがありました。自習室で知り合って仲良くなれて、質問や相談に行きやすかったので。
気持ちの面では、先生方がよく声をかけてくださったのもうれしかったです。「○○君はどうしている?」と聞かれることも多くて、修了した学生のこともずっと気にかけているんだなぁと。小規模で顔の見えるロースクールのありがたさをつくづく感じました。

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座談会風景
原田 一明