特別企画:司法試験合格者×修了生弁護士 座談会

修了者の先輩たちのサポートで司法試験のイメージをつかめた

橋本:すぐに法律の勉強のコツをつかむことはできましたか?

粟野:予想以上に予習の量が多かったので、はじめは苦労しました。

黒川:入学当初は基本書といわれる教科書の読み方もわからなかったし、どこを重点的に勉強すればいいかがわからずに、試行錯誤を繰り返していました。

橋本:どうやって、それらの問題を乗り越えたのですか?

粟野:反復と継続です。早く予習をすると授業の前に忘れてしまうので、直前に見直すとか、とにかく同じことを何度も繰り返しました。

黒川:最初のうちはやみくもに勉強していましたが、9月に合格した先輩たちのお話を聞く機会があり、そこで具体的な司法試験のイメージをつかむことができました。過去問に取り組むことや起案を先輩に見てもらうことも大事であると知りました。

粟野:私も先輩が話をしてくれる勉強会には、よく参加しました。そこで試験に対するイメージをつかむことができました。

橋本:少人数制(▶1)で先生との距離が近いだけでなく、卒業生との距離が近く、卒業生が様々なサポートを行っている(▶2)ことも、本学の特徴ですね。

黒川:学生同士でゼミを行なっていると、判例や学説をどこまでも突き詰めてしまうことになりかねません。先輩のアドバイスを通して、確実な理解が必要なのはどのような点なのかを知ることができ、基礎を理解してから応用に臨む姿勢を身につけることができました。

橋本:独学や学生同士で学んでいると、あらぬ方向にいってしまうことはよくあるのです。そこが純粋未修者のリスクだと思います。最初は法律の起案のイメージが湧かないので、ひとつの科目を軸にして、全体的な法律の文章、構造を学ぶことが大切だと思います。

粟野:最初は自由作文のような感じで書いていました。教科書を読むのも時間がかかった。でも、徐々に読むスピードも上がって、頭にすぐ入ってくるようになりました。また、きちんとした法律の起案らしい文章も書けるようになっていきました。

黒川:橋本先生はご多忙な日々を過ごされているにもかかわらず、毎週土曜日に課外ゼミ(▶3)で私たちのために指導に来ていただきました。大変感謝しています。

粟野:私は3回連続で落ちてしまって、自分の勉強の仕方がわからなくなっていた頃、橋本先生にアドバイスをいただきました。「覚えたことを書くのではなく、ポイントを相手に伝えるように書く」という言葉で腑に落ちました。それからは、勉強会での発言や起案の内容も大きく変わったと思います。

橋本:後輩をサポートしたいという気持ちから、法文書作成やその考え方の指導をしているのはもちろんです。技巧に走りすぎず、テクニカルタームに頼らずに、きちんと説明するという基本を学んでほしい。ただ、私が毎年司法試験の問題や起案を読んで,ゼミの素材として使用しているのは、問題が事案としてよくできているからです。エッセンスがつまっていて、原点に帰るつもりで私も勉強させてもらっているのです。

黒川:先輩から後輩へのサポートは、本学法科大学院のよき伝統ですね。私も今度在校生を指導することになりました。橋本先生をはじめとする諸先輩方にいただいたご恩を後輩につないでいきたいと思っています。

黒川さんの1日のスケジュール(3年次)

  • 8:00起床、朝食
    8:30登校
    9:00勉強開始
    12:00昼食
    13:00授業開始
    14:30授業終了
  • 14:40授業開始
    16:10授業終了、おやつタイム
    16:30勉強開始
    18:00夕食
    19:00勉強開始
    25:00帰宅
    25:30就寝

黒川さんのおすすめ科目

[民法]…土台となる1科目
「民法を制するものは司法試験を制する」という言葉もあるほど、基本7法の中でも民法は重要です。身近なことが題材になっているので勉強しやすく、力がつく。民法をしっかり理解できれば、他の科目にも応用できます。

土曜はリフレッシュ日と決めて、ジムでの運動や飲酒、テレビの録画の消化など気分転換をし平日に集中して勉強しました

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(▶1)徹底した少人数教育

学生数に対して教員数が多いため、教員と学生の距離が近く、双方向で授業を展開しています。

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(▶2)先輩弁護士によるサポート

本学では、OB・ OG の弁護士が自主学習などのアドバイスや学生の生活面や合格者による学習指導、就活体験を語る会、懇親会等などを通じて学生のサポートを行っており、少人数ならではの顔の見える繋がりを大切にしています。

(▶3)課外ゼミ

学生同士、または修了生の先輩が参加してゼミを行うことも可能です。仲間と共に学ぶことで、苦手分野を克服したり、より良い表現にふれることで、効率的に勉強することが可能です。