高橋：教員、OB・OG、同期の仲間たちから、どんなサポートを受けましたか？

横山：私は3回目の受験で合格したのですが、不合格になった後、先生や仲間達にはずいぶん助けていただいたと思っています。少人数の大学院の良さでしょうか。いろんな学年の不合格者や在学生が集まって、有志で答案を検討するゼミを行いました。オフィスアワー を予約して、ゼミで分からなかった部分を納得するまで教えていただいた。すばらしいサポート体制に今も感謝しています。

若松：司法試験は、普通に勉強すれば受かると思っていたんですが、２年目の夏に受けたプレテストの結果が350点満点中97点で、全国のランク表を見たら、下から３番目だった。当時の実務家教員３人と研究者教員に呼び出されて、「どういう勉強をしているんだ」と。私はそれまで司法試験は記憶で受かる試験だと思っていたので、一生懸命暗記しようとしていたんです。すると「記憶なんて限界があるから、記憶で受かるわけがないだろう、理解しろ」と言われ、勉強方法を見直しました。残りの７ヶ月、頑張って勉強したところ、３点足りなくて不合格でしたが、これならいけると思って、再度挑戦して、翌年合格しました。

藤田：同期のサポートはどうでした？〔編注：藤田先生は若松先生と同期でした〕

若松：素晴らしかったです（笑）。自主ゼミをやっていたのですが、すでに勉強法や論理的な思考法を確立している同期たちが、その方法を私に教えてくれました。

藤田：入学直後、実務家の先生に「君たちが受かる方法がひとつだけある。みんなで協力して、全員合格するように勉強することだ」と言われました。だから、最初からみんなで協力しながら勉強しました。お互いに弱みや強みはわかっているので、困った時には聞けるし、弱いところを指摘してもらえる関係を築くことができました。

高橋：その結果、藤田さん・若松さんと同期入学の既習生は、全員司法試験に合格していますね。2013年度の合格者も同じような関係を築いていて、13名のうち７名が卒業後１回目で合格した未修生だったのですが、河野さんたち先輩方がだいぶ親身になって指導をしてくれたと聞いています。

河野：合格してから民事訴訟法のゼミを開いて、同期と後輩達の指導を行いました。自主ゼミについて「ゼミでの獲得目標やゼミ員それぞれの役割があって、得意なことをみんなが持ち寄って、ゼミに価値をつけていくんだよ」とゼミのやり方についても教えたら、自分たちでゼミを行うようになったようです。現役生７名のうち４名が民訴ゼミに所属していて、ゼミ生から「民訴ゼミのおかげで受かることができた」と聞いたときは、我々の指導の効果があったのかなと思いました。

山本：私も同期と一緒にゼミで後輩を指導しました。最終的に受かった時に、司法試験対策として自分で改めた点などをまとめたノートがあったので、それをもとに加筆して、レジュメを作って説明しました。

高橋：研究者教員、実務家教員、あるいは、藤田先生のような 客員准教授 の先生方によるサポートもありますが、OB・OGによるサポートが手厚い点はYNU法科大学院の特徴です。OB・OGのサポートに関して、重要な役割を果たしている 校友会 について、現在会長を務めていらっしゃる山岸さんからご紹介いただきましょう。

山岸：校友会は、OBやOGを中心に在学生も含めた関係者全員でYNU法科大学院を盛り上げていこうという会です。校友会では、在学生や修了した受験生に対する学習支援のサポートを行っています。待機型学習サポートでは、大学院で待機している合格者や現役弁護士のOB・OGに、勉強の相談や、作成した起案を見てもらうことができます。また、合格者による司法試験の過去問解説を毎年定期的に行っています。河野さんや山本さんのように、個別にゼミをやってくださるOB・OGの方もいらっしゃいます。
何度も学習サポートに来ている学生は、伸びていると感じます。これらの支援システムを中心に、校友会としてもより一層受験生をサポートしていきたいと考えています。

河野：ゼミ当初は、合格は厳しいと思っていた後輩が、ゼミを通じて成長し、試験にも合格したため、私たちも少し驚きました。そうした私たちのゼミを受けた合格者たちが、今度は自分たちでゼミを開いて、後輩を指導していると聞いています。

高橋：そうやってYNU法科大学院のDNAが受け継がれていくといいですね。

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1　YNU法科大学院を選んだ理由と奨学金制度
2　法律の基礎力を培う講義、実務家×研究者教員の演習
3　学習サポート体制も充実
4　就職支援と進路
5　学んだことが今の仕事にどういかされているか
6　後輩へのメッセージ　未来の法曹の皆さんへ