1. 法曹実務専攻トップ
  2. 修了後の進路
  3. 修了生メッセージ
  4. 仕事と家庭を両立させ活躍する修了生

仕事と家庭を両立させ活躍する修了生

川島通世(2006年既修者コース修了)
横浜弁護士会(新61期)所属 尾立法律事務所勤務

司法試験のために多くの時間を費やせなかった私の場合

私は大学卒業後、いわゆる「雇用機会均等法第一世代の女性総合職」として7年間メーカーで働きました。出産を機に退職して、しばらくたった頃、法科大学院制度が始まることを知りました。育児中心の試験とは遠い日々にあって、合格の期待なく受験したところ、思いがけず合格してしまい、幼い二人の子供の育児・家事と法科大学院生としての勉強を同時進行させることになりました。毎日、数時間を家事育児に充てますから、司法試験合格までの勉強時間は、少ない方から上位1%に入ると、勝手に思っています。
さて、私のように時間のない受験生が勉強する環境として、横浜国大ロースクールをおすすめできるのは、次の点です。

①何万冊蔵書の図書館よりも、書棚数台分の標準的基本書や判例集等がコンパクトにまとまった資料室です。
②多数の有名教授より、身近で要望をかなえてくれる先生です。私は保育園申請用に学業必要時間を証明する文書を書いていただいたり、1回目の司法試験で不合格だったときの再現答案を個別添削していただいたり、院生が少人数である環境を相当享受しました。

ちなみに教員スタッフの絶対数は多くありませんが、裁判官と検事の派遣は受けています。裁判所や法務省が派遣すべきロースクールと考えているからで、この点はロースクール選びの一つのポイントです。
受験産業の発する情報氾濫からも離れた静かな環境です。時間のない受験生は、合格にどうしても必要な「基本書、判例集、条文、過去問」以外はやる暇がないので、予備校通学の便なども考える必要がありません。交通の便がよくないのはデメリットですが、私は東横線の反町駅から自転車通学していたことが、期せずして受験の体力づくりになりました。

司法試験受験生は実務家をめざすのですから、試験勉強は実務に直結するので、勉強時間が少ないことをお勧めするものではありません。私もたくさん勉強したかったです。しかし、現実にどうしても時間のない私が合格するために、横浜国大ロースクールの環境が有利だったと思っています。

現在は、弁護士として働きながら、家のことや子供のことにも多くの時間を費やし、あいかわらずバタバタしています。しかし、会社に勤めていた時と比べて、弁護士の仕事はチームワークが少なく、自分一人で時間の割り振りができる裁量の幅が広いので、その点では家事育児と両立しやすい仕事と言えるでしょう。例えば、休日に体を動かして家事をしていると、書面のアイデアが浮かんだりすることもあります。私の場合は、机に座って考え込んでいるよりも、かえってアイデアがひらめいたりします。日弁連所属の弁護士全体に占める女性の割合は約18%ですが、男性弁護士も女性弁護士もそれぞれに必要とされる職種ですから、もっと女性弁護士の比率が増えてもいいのではないかと思っています。

※所属や肩書は、掲載当時のものになります。(2016年2月)

三宅未来(2012年未修者コース修了)
横浜弁護士会(新67期)所属 扶桑第一法律事務所勤務

YNUのアットホームな環境の中、法的思考を習得し、
子育てをしながら法曹へ

文学部を卒業後、社会人経験及び出産を経て、弁護士を目指しYNU法科大学院へ入学しました。純粋未修である上、子育てをしながらの勉強は本当に厳しいものでしたが、少人数制のYNU法科大学院では教員や友人との距離がとても近かったため、教員や先輩、友人に多くのアドバイスをもらいながら受験勉強を乗り切ることができました。

現在は、横浜の法律事務所で交通事故、相続問題、会社訴訟、刑事事件等様々な事件を扱っています。弁護士として事案を担当する責任の重大さを痛感しつつも、困っている方々のお役に立てることに喜びを感じる充実した日々を送っています。子育てについては、ボスと家族の理解があり、その他周囲にも支えられながら、子どもの迎えに間に合うように帰宅させてもらう等、子育てに支障のない働き方をしています。 弁護士は、ライフスタイルに合った柔軟な働き方ができる職種なので、子育てをしながら自分の能力を発揮していくことも十分可能です。YNU法科大学院の先輩や実務家教員にも子育てをしながら働く女性が多く、在学中からその後ろ姿に勇気をもらってきました。

YNU法科大学院では、単なる法律の知識にとどまらず、将来のビジョンや法曹としての心構え等、より大きな視点での教育を受けることができました。今後も、YNU法科大学院で教わったことを自分の基盤として、一つ一つの事案に丁寧に向き合っていきたいです。

※所属や肩書は、掲載当時のものになります。(2016年2月)

ページの先頭へ