メッセージ

系長からのメッセージ

 

 2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の世界的流行により、われわれの社会はそれまで予想していなかった事態を迎えました。感染抑制を目的とした渡航制限や外出制限等により人や物の流れが変化し、国内外の需給、貿易、金融は大きく乱れています。日常生活レベルでは親しい人とのコミュニケーションが奪われ、大学においても授業や様々な場面における学生の活き活きとした姿を見ることができなくなりました。それまで当たり前であった風景が、突然このように変化することを誰が予測していたでしょうか。
 さらにこの変化は、例えば政府等による感染状況把握のためのテクノロジーやデジタルデータの活用など、科学技術と社会・個人のあり方に問題を提起するだけでなく、所得や労働環境の格差、子どもの貧困、DV、SNSにより生じるコミュニケーション問題など、すでにそれまでの社会において存在していた様々な問題を先鋭化、顕在化するという役目も果たしました。
 誰もが答えを求めてもそれがわからずに模索している現状においては、専門家に頼りきりになるのではなく、ひとりひとりが自分で情報を集め、自分の頭で考え、自分で選択をするという姿勢が重要となります。
 今こそ、そのための道具として学問やモノの見方を身につける時ではないでしょうか。

 

 われわれ横浜国立大学大学院国際社会科学府国際経済法学専攻および法曹実務専攻は、1990年に設置された「国際経済法学研究科」にその源流を有します。そこでは、「開かれた大学院」と「紛争の事前回避とその合理的解決」という2つの理念が掲げられていました。
 「開かれた大学院」とは、隣接学問、国際社会、そして実務に開かれた教育と研究を実施することを意味しています。また、「紛争の事前回避とその合理的解決」とは、法を事後的な紛争解決手段である裁判規範としてとらえた既存の法学教育・研究から転回し、法を事前の紛争回避手段として位置づけること、そして、社会において紛争や課題にリアルに直面する当事者の立場を念頭に置いた教育・研究を目的とするものです。
 2013年には、国際社会科学府(前期・後期:国際経済法学専攻および法曹実務専攻)と国際社会科学研究院からなる現在の体制と変わりましたが、これらの理念自体は30年の時を経てもなお受け継がれています。国際経済法学専攻の3つの特徴である「高度な実践性」「豊かな国際性」「共に磨きあえる開放性」 がこれを体現しているといえるでしょう。
 法学・政治学を中心としつつ経済学・経営学等との学際領域の知見をも有し、現実社会の中で日々起こる紛争や課題を柔軟な思考で解決する人材の育成こそがわれわれの目指すところです。この不透明な状況の中で問題意識を有し、それを少しでも解決したいと考える皆さんを支え、共に学ぶことを期待しています。

 

法律系長 西川佳代

 

専攻長からのメッセージ

 

司法試験を受験している修了生の皆さん

 

誠に残念ながら、法曹実務専攻は、平成31年度の入学者募集を停止しました。もっとも、すぐ法曹実務専攻がなくなるわけではありません。 在校生の皆さんが修了するまで、専門職学位課程は継続します。新たな法曹となるために、在校生の皆さんは、日々、努力を続けています。 一教員として、在校生の皆さんの姿に励まされています。

 

修了生の皆さんも、勉学に悩んだときには、遠慮せずに大学に連絡してください(連絡先:int.gakumu-allynu.ac.jp)。 自主ゼミなどのチューターが必要な場合などは、有志の修了生弁護士を紹介します。

 

母校は皆さんと共にあります。ともに歩みましょう。

 

2018年7月17日

法曹実務専攻長 芳賀良

 

※法科大学院係は2018年9月1日より大学院学務係に名称変更し、メールアドレスが int.gakumu-allynu.ac.jp に変更になりました。

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